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食事
腸内環境を整えて痩せる
食事
腸内環境と肥満には大きな因果関係があります。
今回はそのお話です。
1. 腸内環境を整えるってどういうこと?
腸内フローラという言葉、どこかで耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
腸内フローラとは腸内細菌が群れて棲息している様子をお花畑(flora)にたとえたものなんです。
私たちの腸の中には数百種類からなる100兆とも1000兆個ともいわれる腸内細菌が棲んで腸内フローラを形成しているといわれ、腸内細菌は体にとっていい働きをする善玉菌、害をもたらすものを悪玉菌、その時々によって善玉菌にも悪玉菌にもなりうる日和見菌の3つに分けられます。
「腸内環境を整える」とは腸内フローラを善玉菌が優位になるような状態にすることです。
個人差もありますが腸内フローラの理想は善玉菌2割、悪玉菌1割、日和見菌7割といわれています。
2. 悪玉菌優位になると腸内環境が乱れる
反対に「腸内環境が乱れる」とは、すなわち悪玉菌優位の状態になることです。
悪玉菌の代表的なものは大腸菌やウェルシュ菌といわれるものです。
悪玉菌は動物性脂質の多い欧米型の食事を続けたり、老化、過度なストレスなどによって繁殖力が増します。
その結果、
腸内腐敗、毒素の発生、血管の収縮による血液循環の悪化、免疫力の低下などによって
・便秘の慢性化
・生活習慣病
・体臭、口臭、おならの臭いの悪化
・肌荒れ
・うつ
などを引き起こしやすくなります。
重大な病気にも繋がりますので「たかが便秘」という考えはくれぐれも禁物です。
3. 便秘と肥満
腸内環境が乱れによる症状のなかでも便秘は肥満と大きく関係しています。
便秘が続くと体内に溜まっている便が水分とともに体内に再吸収される(余分なカロリーを取り込んでしまう)ため肥満の原因にもなります。
もし慢性的にいつも便秘であるなら、それは腸の活動が低下してしまい基礎代謝力も低下した状態です。
基礎代謝の低下は老化現象の一種でもあります。
基礎代謝力が低下すると、ますます効率良くエネルギーを燃焼できないため脂肪がつき太りやすい体になるとされています。
便秘は50代までは女性に多いのですが60歳を超えると男女ともに一段と増えて男女差がなくなってきます。
若いころから中年にかけての便秘が女性に多いのは生理前に出る黄体ホルモンの影響がありこれが便を硬くする性質があるからだそうです。
また女性は男性に比べて筋力が弱いため排便に必要な腸または腸周辺の筋肉を動かしにくいという理由もあるそうです。
もしあなたが「最近、太ったなあ」と感じているならその原因は便秘にあるのかもしれません。
4. 腸内環境を整えるには
腸内環境を整え善玉菌が優位な状態にするためにはどのようなことに注意すればよいのでしょうか?
4-1-1. 食事
人体に有用な働きをする微生物のことを「プロバイオティクス」といいますが
発酵食品に含まれる乳酸菌やビフィズス菌などは善玉菌を補充して腸内環境を整えてくれます。
納豆、みそ、ぬか漬け、キムチ、ヨーグルト、チーズなどの発酵食品を積極的にとりましょう。
一方、
善玉菌を補充するのではなく、もともと腸内にいる善玉菌を活性化したり、腸の活動を改善して腸内環境を改善する食品のことを「プレバイオティクス」といいます。
プレバイオティクスとして食物繊維とオリゴ糖がよく知られています。
オリゴ糖は善玉菌のエサになり大豆、ゴボウ、にんにく、アスパラガス、タマネギ、トウモロコシ、バナナ、はちみつなどに多く含まれています。
食物繊維のうち善玉菌のエサにもなり保水作用で便を柔らかくし便通を良くする作用がある「水溶性食物繊維」はゴボウ、ニンニク、海藻、果物などに多く含まれています。
水分を吸収して膨らんで便のカサを増やし排便を促す働きのある野菜やキノコなどに含まれる「不溶性食物繊維」も合わせてバランスよく摂るように心掛けましょう。
4-1-2. 運動
ウオーキングやストレッチなどの適度な運動も腸内環境を整えるためには有効です。
腰を回したりひねったりといった腸に刺激を与えるような動きはより効果的でしょう。
4-1-3. 睡眠
良質な睡眠は自律神経の副交感神経が優位になってストレスを緩和してくれます。
このとき腸の「ぜん動運動」が活発になるので腸内環境を整えるためにも重要だといわれています。
5. まとめ
腸内環境を整えることが便秘、生活習慣病、体臭・口臭などの予防や改善につながります。
このうち肥満に関係する便秘は中高年以降男女とも増加しています。
もしあなたが今、中年太りしているならその原因は便秘にあるのかもしれません。
腸内環境を整える食事、運動、睡眠などの適切なダイエットによって善玉菌が優位な状態になるよう心掛けましょう。