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    塩分の摂り過ぎが肥満を招く

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    塩分の摂り過ぎが肥満を招く

 

塩分の摂り過ぎが原因で高血圧を引き起こし脳卒中・心筋梗塞・腎臓病などにつながることは認識している人も多いと思います。

しかし、それは肥満にもつながると考えられています。

1. 塩を摂り過ぎると高血圧を引き起こし肥満になる仕組み

1-1. 塩を摂り過ぎると高血圧を引き起こす

塩を摂り過ぎると高血圧に

通常、食事をして塩を摂取しても腎臓でろ過されるため、血液中の塩分濃度は常に一定に保たれています。

 
しかし塩分を摂り過ぎると体は体内の水分で血液中の塩分濃度を薄めて正常な濃度に戻そうとします(塩辛いものを食べるとのどが渇くのはこのためです)。

 

すると体内の血液の量が増え、これを送り出すためには心臓はさらに高い圧力をかけないとならなくなるため血圧が上昇します。

 

また、体は腎臓にも負担をかけながら過剰に摂取した塩分を体外に出すために、さらに血圧を上げなければなりません

 

全ての人がそうという訳ではありませんが
一般に血圧は年齢による老化とともに血管が細くなるなどの理由で高くなり特に中年以降は注意を要します。
(ただし、上の血圧は上昇を続けるのに対し、下の血圧は高齢になるとむしろ下がってきます)

 

ここに塩分の摂り過ぎという要因が加われば、更に血圧を押し上げることになるのです。

 

1-2. 塩を摂り過ぎるとなぜ肥満になるのか?

塩と肥満の関係

以下のような理由が挙げられます。

1)塩を摂り過ぎて高血圧になると糖尿病の場合と同様に、血管を圧迫するので血管の内側の内皮細胞を傷つけ動脈硬化を起こしやすくなります。

すると体内の血液が流れにくく滞って肥満をはじめとするメタボにつながっていきます。


2)体は塩分を摂り過ぎると体内の水分で血液中の塩分濃度を薄めて正常な濃度に戻そう
として血圧が上昇することは先に述べた通りですが、この時同様の理由から食事の量も増やそうとします

すると胃酸や胆汁などの消化液の分泌を盛んにして食欲を増進させるため肥満につながりやすくなります。

 

 

2. 日本人の塩分摂取量

では次に日本人の塩分摂取について、その目標値と現状値からみてみましょう。


目標値
(1日あたり)
データの出所によって異なっていますが以下のようになっています。

厚生労働省(2015年)
男性8g未満/日,女性7g未満/日

日本高血圧学会(2016年)
6g未満/日

WHO世界保険機関(2016年)
5g以下/日


一方、現状がどうなっているかというと
現状値(1日あたり)
厚生労働省(2014年)の調査によると
男性10.8g/日,女性で9.2g/日
となっており

厚生労働省、日本高血圧学会、WHO世界保険機関のどの目標値をも上回った結果となっています。

日本人は世界的にみてもその食生活から塩分摂取量は多い部類に入っています。

 

 

3. 塩分を多く含む食品

日本人は塩分調味料から約4割加工された食品から約4割と、おおむね8割はこの2つから摂取しています。

 

普段、日本人は具体的にどういった食品から塩分を多く摂っているのでしょうか?

以下は国立健康・栄養研究所の2012年のデータで
食塩の摂取源となっている食品のランキングです。
(但し、調味料、香辛料類は除外されています。また1日の調査で通年の食生活状況、習慣的な摂取量を反映しているわけではありません)

塩分を多く含む食品のリスト


カップめん、インスタントラーメンにおける食塩の多さが目を引きますね。

塩分を多く含む食品

ちなみに
醤油大さじ1杯で2.0~2.8g前後、ソース大さじ1杯で1.0~1.8g前後の塩分が含まれていますので減塩コントロールのためにも覚えておくと便利です。

 

 

4. 高血圧の判定基準

では高血圧となる判断の値はどうなっているのでしょうか?

日本高血圧学会の『高血圧治療ガイドライン2014』では高血圧の基準を以下のように定めています

最高血圧(収縮期血圧)が140mmHg以上または最低血圧(拡張期血圧)が90mmHg以上


すなわち

最高血圧/最低血圧のどちらか一方、あるいは両方が140mm/90mmHg以上であれば高血圧としています。

 

またこれは病院の診察室で測る場合の診察室血圧の基準で、通常病院に行くと緊張して血圧が上がることが多いため家庭で測る家庭血圧は診察室血圧より最高血圧、最低血圧ともに5mmHg低めを高血圧の基準としています。

 

5. 減塩のコツ

ここで減塩のコツを食事と運動の面からみてみましょう。

食事

減塩のコツ

お酢やレモン、すだちなどかんきつ類を利用する。

●かつお節や昆布、煮干、シイタケなど天然食品からとった出汁の味を活か塩分を多く含む調味料の使用を控える。

●唐辛子、こしょう、さんしょう、わさび、しょうが、カレー粉などの香辛料を利用して味にメリハリをつける。

●大葉、みょうが、ねぎ、パセリ、にんにくなどの香味野菜やハーブを薬味や付け合せやとして活用する。

●減塩しょうゆ・減塩みそなどを使う。

●味噌汁は具を多くする
みそ汁やスープなどは野菜など具を多くすると、汁の量が抑えられるので減塩につながります。

●塩分の多いうどんやラーメンの汁は全部飲まずに残す。

●普段努力して減塩に努めているつもりの人でも一見塩分とは無縁に思える以下のような食品から塩分を摂取し結果としてなかなか減塩できていない人もいます。
・ソース、ケチャップ、カレールウなどの調味料
・ハムやベーコンなどの肉の加工食品
・ちくわやかまぼこなどのねり物
・パンや缶詰など

●外食や加工食品を控える
意識しないところに塩分が含まれている可能性が高まります。

 

運動
運動をすると汗を出し、腎臓からナトリウム(塩分)を排出させるホルモンが増えて血圧が下がることがわかっています。

減塩と運動の関係

高血圧対策にはウォーキングなどの有酸素運動が効果的です。

 

厚生労働省「高血圧症を改善するための運動
には以下のように書かれています。

『運動療法として、運動の頻度はできれば毎日定期的に実施し、運動量は30分以上、強度は中等度(ややきつい)の有酸素運動が一般的に勧められています。運動療法により降圧効果が得られ、高血圧症が改善されます(運動を実施するにあたっては医師に相談の上行う旨の記述あり)。』

 

 

6. まとめ

一般に血圧は年齢による老化とともに血管が細くなるなどの理由で高くなり特に中年以降は注意が必要ですが、ここに塩分の摂り過ぎという要因が加われば、更に血圧を押し上げることになります。

 

塩分の摂り過ぎが原因で高血圧を引き起こし脳卒中・心筋梗塞・腎臓病などにつながることは認識している人も多いと思いますが、それは肥満にもつながると考えられています。

 

塩分の摂り過ぎは血圧の上昇を加速させ中年太りの原因ともなり得ることを認識して、普段の減塩のための食事や運動などにダイエットの意識も持ち合わせたいものです

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